撮影できない・続かない企業へ:2026年YouTube運用リセット術
2025.12.26

企業YouTubeに取り組み始めたものの、「撮影が進まない」「更新が止まってしまう」などと、感じている企業は少なくありません。
YouTubeを重要なマーケティング施策として認識していても、実際の運用が続かないケースは多く見られます。
2026年に向けて企業YouTubeの運用は、見直しが求められています。無理をして動画を作り続ける運用から、日常業務の延長で自然に続けられる運用へと、切り替えることが重要です。
企業YouTubeが止まってしまう理由を深堀りしながら、撮影できる体制を整え、継続できる運用へリセットするための具体策を解説します。
もくじ
なぜ、撮影できずに止まってしまうのか?

企業YouTubeが止まってしまう理由は、個人のやる気や能力ではなく、運用設計そのものの問題があります。撮影や投稿が後回しになってしまう理由がわかると、共通する課題が見えてきます。
撮影できずに止まってしまう理由を解説します。
撮影日や担当が決まらず後回しになる
撮影できない最大の要因は、YouTubeが業務として組み込まれていないからです。撮影日と担当が決まっていない運用は継続できません。
企業では日々の業務が優先されやすく、YouTubeは「空いた時間で行うもの」になりがちです。その結果、撮影は常に後回しになり、企画も進まなくなります。このような状態では、継続的な撮影は難しくなります。
社内確認が多く投稿まで時間がかかる
企業のYouTube運用では、投稿前の確認工程が多くなりがちです。
YouTubeは社外に公開されるコンテンツであるため、表現や内容を慎重にチェックする必要があるからです。
しかし、確認フローやルールが明確でないと、修正や差し戻しが繰り返され、投稿までに時間がかかってしまいます。
よくある、確認フローの問題点は次の通りです。
・誰が最終確認者なのか決まっていない
・修正基準が共有されていない
・担当者ごとに判断が異なる
撮影から投稿までに時間がかかってしまい、更新頻度が下がります。
成果が見えずモチベーションが下がる
運用が止まる理由は、成果を実感しづらい点です。再生数だけを成果指標にすると、継続は難しくなります。
企業YouTubeは、短期間で数字が伸びるケースが少なく、成果が見えにくいです。再生数や登録者数だけを追い続けると、期待とのギャップが生まれやすくなります。
次のような状況では、モチベーションが下がりやすいです。
・再生数が思うように伸びない
・社内から成果を求められ続ける
・目的が曖昧なまま運用している
成果の定義が整理されていない状態では、YouTube運用は負担になりやすくなります。
2026年に求められる企業YouTube運用

2026年に求められる企業YouTube運用について、3つのポイントを解説します。
完璧な動画を目指さない発想
企業YouTubeが続かなくなる大きな要因のひとつが、動画の完成度を高く求めすぎてしまう点です。
撮影前の企画検討や構成の作り込み、社内での修正を重ねるほど、投稿までのハードルは上がり、動画を公開する前に疲れてしまいます。
しかし、視聴者の反応は、投稿前にどれだけ考えても予想にすぎません。実際に動画を公開してみなければ、どの内容が見られるのか、どこで離脱されるのかは分からないのです。
企業YouTubeでは、次のような姿勢が求められます。
・最初から正解を当てようとしない
・まずは一定本数の動画を投稿する
・反応を見ながら内容や方向性を調整する
完成度を高めることよりも、投稿を重ねてデータを蓄積することが、運用を前に進めます。動画を出しながら少しずつ改善していく考え方が、企業YouTubeを継続させるための重要なポイントです。
再生数だけを目的にしない運用視点
再生数を唯一の目的にすると、企業YouTubeは迷走しやすくなります。企業の動画は、必ずしも多くの人に見られることだけが価値ではありません。
例えば、次のような反応も重要な成果です。
・問い合わせ前に動画を見ている
・採用面談で動画の内容が話題になる
・企業理解が深まったと言われる
再生数に一喜一憂するより、企業としての役割を果たしているかを見ながら運用する視点が必要です。
2026年版:撮影できる企業YouTubeへの再設計

企業YouTubeを撮影できる状態にするためには、担当者の努力に頼るのではなく、運用の前提そのものを見直す必要があります。
無理なく撮影が回り、自然に投稿が続く仕組みを作ることが重要です。撮影できる企業YouTubeへの再設計について解説します。
まとめ撮りを前提にした撮影設計
撮影を継続するためには、まとめ撮りを前提に運用を設計する考え方が欠かせません。単発で撮影日を決める運用では、スケジュール調整の負担が大きく、撮影が止まりやすくなります。
企業の場合、撮影は本業の合間に行われるため、毎回日程を調整するだけでも負担です。その結果、撮影は後回しになり、更新が止まってしまいます。
まとめ撮りを前提にすると、次のようなメリットがあります。
・撮影日を事前に固定しやすくなる
・1回の撮影で複数本の動画を確保できる
・編集や投稿スケジュールを立てやすくなる
撮影を特別な作業にせず、定期的な業務として組み込むことで、YouTube運用は安定しやすくなります。
出演者を固定しない運用体制
出演者を1人に固定しないことも、撮影を止めないための重要なポイントです。特定の人物に依存した運用では、その人のスケジュールや負担が原因で撮影が進まなくなります。
企業YouTubeでは、業務内容や専門分野ごとに話し手を分ける運用が現実的です。複数人が出演できる体制を整えることで、撮影日の調整がしやすくなり、動画内容にも幅が生まれます。
例えば、次のような工夫が考えられます。
・業務内容ごとに話し手を分ける
・顔出しにこだわらない動画も取り入れる
・1人あたりの負担を抑える
出演者を分散させることで、属人化を防ぎ、継続しやすい運用につながります。
編集と確認フローのテンプレート化
撮影後に止まりやすい工程が、編集と社内確認です。毎回編集方針や修正基準を考えていると、投稿までに時間がかかり、更新頻度も下がります。
編集と確認をテンプレート化することで、判断や作業の負担を減らせます。構成やテイストをあらかじめ決めておくことで、毎回ゼロから考える必要がなくなるからです。
テンプレート化の例は以下の通りです。
・動画構成を固定する
・テロップやデザインのルールを決める
・確認者と修正回数を事前に整理する
編集と確認を仕組みとして整えることで、投稿スピードが安定し、YouTube運用が止まりにくくなります。
なお、株式会社仕掛人では、成果につながる動画を作るための実践的なノウハウを公開しています。
視聴維持率を高める構成の工夫や、成功事例に共通するポイント、魅力が伝わる見せ方など、すぐに活用できる情報をまとめています。
YouTubeで予約数や問い合わせを増やしたい場合は、参考情報として活用すると、運用のヒントが見つかります。
無理なく続くYouTubeコンテンツ案

企業YouTubeを継続するためには、毎回新しい企画を考える、という発想から離れても問題ありません。無理なく続けられる、YouTubeコンテンツ案について解説します。
日常業務を切り取るコンテンツ
無理なく続ける方法として、日常業務をコンテンツに活用する考え方があります。ただし、この方法はすべての業種に当てはまるわけではありません。
他業界や他業種でもよく見られる作業を、そのまま撮影しただけでは、「視聴する理由」が生まれにくい点に注意が必要です。
日常業務を活かす場合は、「なぜこの動画を見るのか」という視点を持つことが重要です。自社では当たり前の作業でも、視聴者にとっては珍しい工程や、普段目にする機会の少ない作業であれば、関心を持たれやすくなります。
例えば、ボーっと眺められる工場の大規模な生産工程や、職人技が伝わる細かな作業、前後の流れが分かるストーリー性のある業務など、日常業務であっても視聴されやすいコンテンツになります。
よくある質問や問い合わせ対応コンテンツ
FAQや問い合わせ内容を動画化することも、継続しやすい方法です。すでに顧客から寄せられている質問は、視聴者の関心が高いテーマと言えます。
新たに企画を考えなくても、実際の問い合わせ内容をもとに構成できるため、迷いにくいです。文章や口頭で説明している内容を、そのまま動画に置き換えるだけでも成立します。
活用しやすいテーマ例は以下の通りです。
・サービス内容に関する質問
・料金や契約に関する質問
・よく誤解されやすいポイントの説明
問い合わせ対応コンテンツは、視聴者の不安解消だけでなく、対応工数の削減にもつながります。
専門性や地域性を活かした企画
企業YouTubeでは、専門性や地域性を活かした内容も無理なく続けやすい傾向があります。多くの人に見られる動画を狙う必要はなく、必要な人に届けば十分価値があります。
自社ならではの知見や、地域に根ざした情報は、他社と差別化しやすい要素です。実務経験や現場視点をそのまま伝えることで、信頼につながる動画になります。
例えば、次のような企画が考えられます。
・業界特有の考え方や注意点を解説する
・専門家視点でのアドバイスを発信する
・地域ならではの事例や取り組みを紹介する
視聴回数に左右されにくく、企業理解や信頼構築に役立つ点が、このコンテンツの強みです。
無理なく続く企業YouTubeでは、新しく作るより、すでにあるものを活かす発想が重要になります。日常業務や既存情報を動画に変換することで、撮影のハードルを下げ、継続的な運用につなげられます。
撮影できない企業が今取るべき選択肢

企業YouTubeが撮影できずに止まっている場合、やり方を少し工夫するだけでは解決しないケースが多く見られます。運用を続けるためには、体制そのものを見直す選択肢を検討することが重要です。
撮影できない企業が今取るべき選択肢について解説します。
社内運用だけでYouTubeを継続する難しさ
社内だけでYouTube運用を続けることには、想像以上の負荷があります。企画・撮影・編集・確認・投稿と工程が多い為、担当者の負担が蓄積します。
多くの企業では、YouTube運用が本業との兼務になりやすく、優先度が下がりがちです。担当者の異動や退職をきっかけに、運用が止まってしまうケースも少なくありません。
次のような状態が続いている場合、社内運用には限界が近づいています。
・YouTubeが後回しの業務になっている
・特定の担当者に負担が集中している
・撮影や編集が属人化している
社内リソースだけで抱え続ける運用は、長期的には継続が難しくなります。
プロの力を活用することで得られるメリット
YouTube運用が止まりかけている企業ほど、外部のプロを活用する選択が有効です。すべてを任せる必要はなく、仕組みづくりや苦手な工程だけを任せる方法もあります。
プロを活用することで、次のようなメリットが得られます。
・撮影や編集の流れが整理される
・企画で迷う時間が減る
・成果につながる視点を取り入れられる
社内では判断が難しい部分を外部に任せることで、YouTube運用が前に進みやすくなります。
企業YouTubeを止めないために踏み出す第一歩
企業YouTubeを止めないために必要なのは、大きな決断ではありません。まずは、現在どの工程で詰まっているのかを整理することが第一歩になります。
例えば、次のような始め方があります。
・撮影や編集の一部を外部に任せる
・運用設計や方向性について相談する
・小さく試しながら体制を整える
自社だけで抱え込まず、外部の視点を取り入れることで、YouTube運用は続けやすくなります。撮影できる状態を作るためには、無理のない形で選択肢を広げる判断が重要です。
まとめ
企業YouTubeが撮影できず、更新が止まってしまう理由は、担当者の問題だけではなく、運用設計そのものの課題があります。完璧な動画を目指しすぎたり、再生数だけを成果として追い続けたりすると、企画や撮影の負担が増え、継続は難しくなります。
2026年は、日常業務を活かしたコンテンツ設計や、まとめ撮り・編集フローのテンプレート化など、無理なく続けられる仕組みづくりが重要です。
一方で、自分たちの業界でどのように「見る理由」を作るかは、社内だけで判断するのが難しいポイントでもあります。 日常業務をただ撮影するだけではコンテンツとして成立しないケースも多く、企画の切り口が成果を左右します。
そのため、日常業務をどのように切り取り、YouTubeコンテンツとして成立させるか迷った場合は、プロの視点を取り入れることが有効です。業界や業種に合った見せ方を整理することで、企画で迷走するリスクを抑えやすくなります。
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